■区分所有法59条の競売請求に無剰余取消の適用を否定

6年半分総額約54万円の管理費滞納を理由とする区分所有法59条競売請求を認容した欠席判決に基づく競売について、同条は「当該区分所有者の区分所有権を売却することによって当該区分所有者から区分所有権を剥奪することを目的として、競売の申立人に対する配当を全く予定していないものであるから、同条に基づく競売においては、そもそも、配当を受けるべき差押債権者が存在せず、競売の申立人に配当されるべき余剰を生ずるかどうかを問題とする余地はない」として民事執行法63条2項による無剰余取消決定をした千葉地裁松戸支部の決定を取消して、マンション法59条に基づく競売には剰余主義の適用がないことを明確にした。また区分所有法59条競売には、民事執行法59条1項に定める消除主義が適用されることも明確にした事例。

東京高裁判決   平成16年5月20日

2015年2月1日 | カテゴリー :