良い管理会社はどうやって選ぶ?

同じ管理会社でも評判は同じとは限らない

管理会社を選択できる状況にあれば、管理会社に不満を持つと、管理会社を替えようという話も出るでしょう。また、ここでの例えのマンションのように、今の管理会社の委託業務費のレベルを確認したり、減額のために、他の管理会社も検討したいということは、現在では一般的になってきました。

「どこかよい管理会社を紹介してください」といわれることがありますが、管理会社の良し悪しは一概にいえません。
「A社がひどいから他に替えたい」という相談もあれば、「A社に替えてよかった」という話を聞くこともあります。価格についても、A社とB社で、A社の方が安い見積のときも、B社の方が安いときもある訳ですその理由として、1つには、同じ管理会社でも、担当支店や担当者の考え方や資質によって、管理の質に差が出るということがあります。

2つ目には、管理会社の現場は仕事に追われていますので、つい、いろいろ注文がつく管理組合には手厚くするけれど、おとなしい管理組合には手が行き届かなくなりがちだということです。
3つ目として、価格の提示は、管理組合ごとに違うということです。
同じ管理会社が管理する同規模同仕様のマンションでも、価格提示が1割以上も違うということはよくあることです。管理組合が無関心だと、あえて自ら減額提示をしないので、バブルのころの委託業務費のままという組合がある一方、契約更新の度に交渉して、かなりの減額になっているところもある訳です。また、管理会社も、攻めの姿勢で新規の管理委託契約を取りに行くとき、他社と比較されるのが分かっているときは、それなりの価格を出すという営業戦略があるのも当然です。

 

管理会社にもそれぞれ特徴がある

それでは、どうやって管理会社を選べばいいの?という声が聞こえてきそうです。
良し悪しはともかく、管理会社によって得意分野や特徴があるのは事実です。同時にマンションの規模や管理組合の体制によっても「自分たちにとってよい管理会社」の基準が違ってきます。

管理組合内に人材が豊富で、お金の管理も責任を持ってできるのであれば、かなりシビアに「委託業務費か安いところがよい」と割り切ることも可能でしょう。
規模が小さく高齢化が進むマンションでは、価格の安さより「安心してお金の管理や修繕の実施を任せられる管理会社がよい」という判断もあるでしょう。
また、超高層マンション等はビルメンテナンスのニーズに合った管理会社のノウハウが不可欠ですからどの管理会杜でもできるという訳ではありません。
特に目立った設備がないマンションなら、小回りがきく地元の中小の管理会社の方が安くてよいサービスを受けられるということもあるでしょう。

まず、自分の管理組合の状況を客観的に把握し、何を重視するかを明確にして、ニーズに合った管理会社を選ぶことが選択のポイントです。


この例えのマンションでは、「①出納業務を安心して任せられる」「②緊急時の対応がしっかりしている」「③管理員の質が確保されている」という3つの基準を立て、まわりの評判やインターネットを調べて、K社、L社を選び、見積依頼をすることとし、「現契約の仕様書」と「見直しの要望書」を渡しました。

金銭的には、現管理会社は10%減額の回答、K社は18%減、L社は14%減の見積書という結果です。

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