本件は、原告の管理組合法人が、共用部分に当たる駐車場躯体部分のコンクリート劣化抑制工事と併せて、被告の区分所有者の専有部分である地下1階の同駐車場打ち放しの壁面の塗装工事を行い、被告に工事費の20%の負担を求めることとする集会の決議を経て、工事を行った。同駐車場の塗装工事の実施について事務管理が成立するか、事務管理に伴う費用償還請求が争われた事例である。当法人の規約には、専有部分である設備のうち共用部分と一体となった部分の管理を共用部分の管理として一体として行う必要があるときは、原告がこれを行うことができるものとされている。
判決は、同駐車場の塗装工事を行うことは、被告の意思に反することが初めから明らかであったと認められず、原告が被告のためにその事務を管理する一面をも有するものとして、事務管理が成立するとした。
東京地裁 平成16年11月25日判決(確定)